イタリア語を学習して1年になる。

つくづく面白いなと思ったのは、イタリア語の名詞には性があり、何かを言おうとすれば、それが男性名詞なのか女性名詞なのかハッキリさせないかぎり、話すらできないということだ。これは日本語にはない特徴である。
例えば、日本語では、「昨日、友達と食事に行った」という文は成立する。
しかし、イタリア語にはこの「友達」にぴったり相当する言葉がないのだ。
あるのは、「一人の男友達(amico)」、「一人の女友達(amica)」、「複数の男友達(amici)」、「複数の女友達(amice)」の4つだ。その4つを包含する1つの単語がない。
だから、イタリア語で「昨日、友達と食事に行った」と似たことを言おうとすれば、それが「一人の男友達(amico)」なのか「一人の女友達(amica)」なのか「複数の男友達(amici)」なのか「複数の女友達(amice)」かが必ずばれてしまうのだ。
日本語のように、その辺を曖昧にしたままにしておくことができないのである。
その他、会社員にしても、店員にしても、弁護士にしても、どんなものにも必ずイタリア語では男性か女性か単数なのか複数なのかをはっきりさせなければならない。
動物にしてもそうなのである。
例えば、「私は猫を飼っている」という日本語は成立するが、イタリア語では、その「猫」が「一匹のオスネコ(gatto)」なのか「一匹のメスネコ(gatta)」なのか「複数のオスネコ(gatti)」なのか「複数のメスネコ(gatte)」なのかをはっきりさせないかぎり、口に出せないのである。
今、芸能人の不倫騒動で世間の声がかまびすしい。
例えば、ある男性が不倫を疑われて「昨日どこに誰といましたか?」と聞かれた場合、日本語では「友達と食事に行っていました」と言っても嘘をついたことにはならない。その「友達」が本当は「一人の女友達」だったとしても、日本語ではその辺を曖昧なままにしたたまま文が成立するのだ。、
しかし、「イタリア語では、「一人の男友達(amico)」や「複数の男友達(amici)」や「複数の女友達(amice)」を遣ったら、嘘をついたことになってしまうのである。
このように外国語を学ぶと、日本語との差異が浮き彫りになるので、日本語にも敏感になるのではないかと思うのである。