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独立系FPに騙されるな!

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保有している毎月分配型の投資信託の調子があまり宜しくないので、なんとかしなければと思いながら過ごしていたある日のこと、ネット上に某独立系FPの投資信託に関する無料講演会の広告を見つけた。

私は投資歴は長いと言っても、所詮は素人。何冊かは投資信託の本を読んだことはあるが、基本、勘をたよりに投資してきた。無料で勉強できるのならこれほどありがたいものはない。

しかもこの無料講演会は銀行や証券会社のしがらみがない独立系FPの主催である。銀行や証券会社は自分たちに都合のいい商品を勧めたがるものだが、そんな欲望にまみれたセールストークにうんざりしていた私は独立系こそ賢明なアドバイスをくれると期待してしまったのだ。

賢明な投資方法を教えてくれるのなら、仮に将来的にそれなりの代金を払うことになったとしても惜しくはない。なにしろ下手な投資をするのと上手な投資をするのとでは、長い間に雲泥の差が出る。そう思った私は早速、私は参加してみることにした。

講演会はそれなりに勉強にはなった。ただ、それで具体的な解決策が見つかったわけではなかった。私は迷いながらも、後日開催される無料個別相談を受けることにした。講演者も「無料個別相談を受けても弊社とおつきあいをしなければならないというわけではありませんのでお気軽に個別相談会にお越しください」と言っていたので、変なことにはならないと信じてしまったのだ。

初回の個別相談では、私の投資に対する考え方に大きな落とし穴があることを指摘された。これは私には衝撃だった。その瞬間私は、私が大変大きな落とし穴に落ちるのをその担当者が救ってくれたと思ってしまった。あまりの驚きで私が目を丸くしていると担当者はこう言った。

「よろしければ、次回、あなたが保有している投資信託の中で、このまま保有していていい投資信託と即刻解約したほうがいい投資信託をその根拠とともにお教えしますよ」

私は二つ返事で2回目の個別相談をお願いした。私はありがたい話だと思った。さすがは独立系だ。もちろん彼らも販売手数料を収入源にしているとはいえ、銀行や証券会社とは違って、私のためを思ってアドバイスしてくれるのだ。そのアドバイスにはお金を払う意義があるというものだ。

かくして私は2回目の個別相談に行った。約束では、私が保有している投資信託の中で、このまま保有していい投資信託と即刻解釈したほうがいい投資信託をその根拠とともに教えてくれるはずだった。ところが担当者は開口一番でこんなことを言い始めた。

「あなたはすべてで30種類の投資信託をお持ちですが、残念ながらリスクを分散したことにはなっていません。そこで私どもはカンファレンスを開いて、あなたのために提案書を作成しました。今保有している投資信託はすべて即刻解約して現金をA証券の口座に移していただき、私どもが提案する4つの投資信託に投資してください」

私は狐につままれた感覚に陥った。え? 私が13年間にわたってかけてきた30種類の投資信託が分散したことになっていない? すべて解約? しかも即刻? そしてその解約した現金をすべてA証券の口座に移し替えろ?

しかし私はその時点ではまだ彼らの魔法にかかったままだった。なにしろ私が大きな落とし穴に陥るところを初回の個別相談で彼らは救ってくれたのだ。そして実際、彼らの勧める4本の投資信託もそれなりに魅力的に見えた。

ただ、30種類の投資信託をすべて解約し、1500万円以上のお金を彼らの勧める4本の投資信託に投資する気にはなれなかった。100万円や200万円の話ではない。1500万円以上なのだ。リスクが大きすぎる。そこで私はこういった。

「いや、でも1500万円というのはちょっと額が大きすぎますね。もうすこし少ない金額から始めたいのですが」

「じゃあ、1400万円はどうですか」

「いやもっと少ない金額から…」

「じゃあ、1300万円はどうですか」

「いやいやもっと少ない金額から…」

すると担当者は不機嫌そうになった。

「そんな小さな額でやっても利益は出ませんよ、せっかくやるのなら大きくいきましょうよ」

もはや私はそれ以上、金額を下げたいとは言い出せなかった。そこで私は、やってみたいとは思うが、金額については保留にさせてくださいと言ってその場を去ることにした。実際、1000万円くらいならやってもいいのではないかという感じになりかけていたのだ。

自宅に戻ると私はすぐに保有している投資信託を解約し始めた。解約作業は簡単だ。解約のボタンをクリックすればそれだけで解約手続きは終わるのだ。こうして私は、これも解約、これも解約、これも解約、これも解約…と次々と解約していき、保有している投資信託の7割ていどを解約してしまった。NISA口座に入っている投資信託は解約したくはなかったが、気がついたときにはすでにすべてを解約してしまったのだ。

翌朝になったが、私はまだ冷静にはなれていなかった。昼間、図書館で勉強を始めたが、どうも勉強に集中できない。そんな折、ふいに、ある思いがよぎった。

「彼らはA証券の口座で投資信託を売れば手数料が入ってくるのだ。だから私が保有しているすべての投資信託をすべて解約させてA証券にお金を移させようとしているのだ。そもそも私が保有している30種類の投資信託のすべてがすべて悪いものではないはずだ。なのにすべてを即解約させようとするのは、そのお金で新たな投資信託を買わせて、がっぽり手数料を取ろうとしているのだ」

冷静になって考えれば考えるほど、おかしな点に気付いた。

パンフレットには「定期面談」と記載されてある。だが、2回目の面談のときに私がそのことについて聞いても、彼は一切何も答えなかった。ということは、定期面談なんて無いのではないか。「半年に1回」とか書いてあれば安心できるが、それすら書いていない。まさか「10年に1回」というのではないだろうな。

しかも、私は投資信託のほかに金・銀・プラチナももっていた。株や債券とはまったく異なる動きをするのが金・銀・プラチナである。リスクを軽減するには持っていて悪いものではない。なのに担当者は即解約しろと言ったのだ。どう考えてもおかしいではないか。

いやいやそればかりではない。そもそも2回目の面談は、私が保有している30種類の投資信託の中で保有していていいものと、即刻解約したほうがいいものを教えてくれるという話だったはずだ。なのに彼らはそれについては何の説明もせず、私が保有しているものをすべて解約しろと迫ってきたのだ。

冷静になって考えた結果、私はそのIFPとはお付き合いしないことにした。

その後、その担当者から3回ほど電話があり、すべて留守番電話にメッセージが残されていた。3回目にかかってきたときに、私のほうから会社に電話をかけてこう言った。

「私が投資をする気になったら、その時点で私のほうから電話をかけますので、それまではもう電話をかけてこないでください」

あまり深い入りしなかったのが良かったのか、その会社からそれ以降、電話がかかってくることはなくなった。

しかし私が反省すべき点はある。それは4の投資信託の購入を勧められ、その日のうちに1300万円ものほかの投資信託の解約手続きを取ってしまったことだった。私の意思で解約したというより、もしも彼らの言うとおりにしなければ見捨てられるのではないかという恐怖感から「解約させられた」とでもいったほうが正しい。自分ではしっかりしているつもりでも、こういう風に他人の言動に惑わされてしまったのだ。今後は気持ちが動転しているときは冷静になるのを待とうと思ったのであった。

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