理性を磨く手段としての外国語学習、学問、資格、勉強の楽しみを語る

動物の学習能力について

20160820スキナーが登場するまでは、動物は本能のまま生きていると考えられていた。ところがスキナーの研究によって、人間を含め、動物には学習能力があることが証明された。

では、動物は何によって学習するのであろうか。その一つがオペラント条件づけによる学習である。

オペラント条件づけとは、「特定の刺激のもとで自発される行動の結果を操作することによって、その行動の生起頻度を変化させる手続き*1」のことであり、3つの基本的要素は、先行刺激、行動、結果である。その中で特に不可欠なものは結果、すなわち行動の後に生じる環境変化である。

行動の後に生じる環境変化とその後の行動変化との関係を行動随伴性というが、大別すれば「強化」と「弱化」の2つに分けられる。行動は「強化」された場合は増加し、「弱化」された場合は減少する。

「強化」はさらに「正の強化」と「負の強化」に、「弱化」はさらに「正の弱化」と「負の弱化」に分けられるが、これらを日常生活の場面で例を挙げながら説明しよう。

「正の強化」とは、ある行動をした結果、好ましい刺激が出現し(または消失せず)、その結果、行動の生起頻度が増加することである。例えば、おなかを空かせた私があるラーメン屋でラーメンを注文したところ、予想外においしかったとする。その結果、その人がそのラーメン屋で同じラーメンを食べる頻度が多くなれば、「正の強化」が行われたことになる。

「負の強化」とは、ある行動をした結果、嫌悪的な刺激が消失し(または出現せず)、その結果、行動の生起頻度が増加することである。例えば、小学生の子供がいるとする。食卓に出された料理の中に嫌いなニンジンが入っていて、「ニンジンなんて嫌いだ~」とわめき散らかしたところ、その後ニンジンの入った料理が出されなくなったとする。その結果、嫌いな食材が入っているたび「キュウリは嫌いだ~」「ピーマンは嫌いだ~」などとわめき散らかす頻度が多くなったとすれば、「負の強化」が行われたことになる。

「正の弱化」とは、ある行動をした結果、嫌悪的な刺激が出現し(または消失せず)、その結果、行動の生起頻度が減少することである。例えば、授業中に隣の学生と私語をしていたとする。すると突然、先生がその生徒を怒鳴りつけたとする。その結果、その生徒が私語をする頻度が減ったとすれば、「正の弱化」が行われたことになる。

「負の弱化」とは、ある行動をした結果、好ましい刺激が消失し(または出現せず)、その結果、行動の生起頻度が減少することである。例えば、慶応大学という名前に惹かれて慶応大学通信教育課程に入学したした学生がレポートを提出するとする。しかし、提出しても提出しても、厳しいコメントと不合格という評価で返されたとする。その結果、レポートを出す頻度が減ったとすれば、「負の弱化」が行われたことになる。

強化が行われるにしても、弱化が行われるにしても、それは自分が行った行動の後に受けた「刺激」や「出来事」によってオペラント学習したからこそであるが、強化が行われた場合はその「刺激」や「出来事」のことを強化子、弱化が行われた場合は罰子という。

強化子・罰子の種類は次の4つある。

無条件性強化子・罰子とは、学習によらず強化子・罰子としての機能を発揮するものである。例えば、おなかを空かせた人にとって食べ物は無条件強化子であるし、悪臭や騒音などは無条件罰子である。先の例でいえば、ラーメン店に入った人にとってその店で食べたラーメンは無条件性強化子といえる。

条件性強化子・罰子とは、学習によって強化子・罰子としての機能を獲得したものである。お金や名誉、賞讃、他者からの注目などが条件性強化子であり、逆に叱責、無視、拒否などが条件性罰子である。先の例でいえば、授業中に私語をしていた学生にとって先生からの叱責は条件性罰子といえる。

この他に活動性強化子・罰子というのもある。これは頻繁に自発される行動が、自発頻度の少ない行動の強化子・罰子となる場合である。例えば、テレビゲームに熱中ばかりして、夕食を食べに来ないことが多い子供がいるとする。この子に「夕食をきちんと食べた後なら、好きなだけテレビゲームをしてもいいよ」と言った結果、毎晩夕食をきちんと食べるようになったとすれば夕食が活動性強化子として作用したことになる。逆に、「テレビゲームをしたらトイレ掃除をさせるぞ」と脅かした結果、テレビゲームをしなくなったとすれば、トイレ掃除が活動性罰子として作用したことになる。

以上の強化子・罰子は、行動によって外部環境の変化がもたらされるという点で外在性のものであるが、「行動することそのもの」が強化的な機能をもつ場合もあり、それを自動的強化子という。私たちは絵を描いたり、パズルを解いたりするのに夢中になることがあるが、その結果として環境変化がなくても、続ける場合がある。それは強化子が内在されているからに他ならず、「絵を描くこと」そのもの、「パズルを解くこと」そのものが強化子として作用しているわけである。

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